【ソウル中島哲夫】
韓国でここ数年、国際結婚が激増し、年間の婚姻件数に
占める比率で日本の2倍以上という水準に達した。
郡部では昨年、4割が国際結婚だった自治体もある。
背景には農林水産業に従事する男性の結婚難があるといい、
日本以上に急速な韓国社会の変化を反映している。
韓国統計庁の3月末の発表によると、同国で05年に韓国人が
外国人と結婚した件数は約4万3000件で、
全体(約31万6000件)に占める比率は前年比2.2ポイント増
の13.6%だった。
厚生労働省の05年統計は未公表だが、日本人と外国人の
結婚は99年から04年まで全体の4〜5%台で推移しており、
急変は考えにくい。94年時点で同比率が韓国1.7%、
日本3.3%だったのと比べると、韓国での激増ぶりが鮮明だ。
ソウルでは同庁の発表以来、特に「農林水産業に従事する
韓国人男性が外国人女性と結婚した比率は、前年比8.5ポイント増
の35.9%」という点に注目した報道が続いている。
総件数に占める比率は2.5%に過ぎないのだが、めざましい経済発展
から取り残された村落社会の悩みが深いからだ。
3日付の中央日報は「単一民族という共通認識が崩れる」との
趣旨の見出しで、国際結婚が37〜40%に達した全羅道や忠清道の
郡名を列挙。04年に5カ所だった「30%以上」の自治体が
05年は23カ所に増えたと報じ、対策が急務だという識者の声を紹介した。
また現場ルポでは、東南アジア出身の「農村花嫁」の奮闘ぶりや、
子供の仲間はずれに対処する学校の取り組みなどを紹介している。
(毎日新聞) - 4月3日21時4分
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